登記原因証明情報とは?
更新日:2021-07-22
「司法書士事務所の見積もりに登記原因証明情報という項目があったけどこれはどういう書類?」
「登記原因証明情報作成代って必ず必要なの?」
こんな疑問をいだく方も多いと思います。
結論としては不動産の売買による名義変更をする際には実務上登記原因証明情報を必ず作成します。
本稿では不動産登記法の改正により原則として必要となった登記原因証明情報について解説します。
登記原因証明情報とは?
登記原因証明情報とは、登記に至った原因又は法律行為を記載した書面です。
原因又は法律行為と聞くと難しく感じるかもしれませんが、不動産売買においては所有権が移転した原因となる事実又は法律行為は『売買』です。
例えば不動産の所有権が移転した原因が贈与の場合には、この原因というのは『贈与』となります。
法律行為とは上記売買契約や贈与契約のほか、解除や放棄等の単独の意思表示のことを言います。
不動産売買における登記原因証明情報
不動産の売買においては、法務局に登記原因証明情報を提供または提出しなければなりません。
実際に当事務所が使用しているひな形です。
登記の原因となる事実又は法律行為に不動産の売買であれば売買契約と記載されているかと思います。
まずは売買契約を締結した事実を記載します。
具体的には売買契約の当事者と日付です。
不動産の売買契約には、通常実体法上の所有権が移転する時期が売買代金完済日となっていることがほとんどですから、所有権移転時期に関する特約も記載します。
そして最後に決済日に売買代金残額全額を支払ったことによってその時に所有権が移転したという事実を記載します。
所有権移転登記について詳しく知りたい方は『不動産購入時の所有権移転登記って何?具体的な費用と報酬の相場について解説』をご覧ください。
登記原因証明情報となりうる書類
実は登記原因証明情報というのは、上記書類だけのことを指すわけではありません。
定義としては、登記の原因となる事実又は法律行為を記載した書面(情報)ですので、不動産の売買であれば、売買の当事者がお持ちの不動産売買契約書も該当します。
ただし、実務ではこの不動産売買契約書を使用して登記申請することはまずありません。
売買契約書が登記原因証明情報とならない理由
理由としては下記の通りです。
・不動産の売買契約書には売買代金を支払った日が記載されていないため、実際に所有権が移転した日が売買契約書だけでは不明であり、別途領収書等残代金を支払った日がわかる書類を添付する必要がある。
・売買契約の原本を実際にお預かりできるか不明ですし、売買の当事者にご用意していただく書類が増えてしまう(原本還付は出来ますので、登記完了後にお返しすることは可能です)
・登記原因証明情報は利害関係人であれば閲覧することが可能ですので、売買代金が誰かに知られてしまう(不動産の買取業者は安く仕入れて高く売ることで利益を得ていますので、不動産業者にとっては死活問題でしょう)
上記のような理由で、不動産の売買契約書を登記原因証明情報としては添付せずに、画像のような登記原因証明情報を当事務所で作成し、法務局に提出(提供)しております。
このような登記原因証明情報のことを、報告形式型の登記原因証明情報といい、不動産の売買における所有権移転登記の登記原因証明情報は、どこの司法書士事務所でも、ほぼほぼ報告形式型の登記原因証明情報を添付して登記申請をしております。
※そのため、当事務所ではお客様から売買契約書をお預かりして登記申請ということはしておりませんので、報告形式型の登記原因証明情報を作成しております。
もちろん報告形式型の登記原因証明情報作成費用も一律の報酬に含まれております。
当サイト経由でお問い合わせをし、ご依頼を頂いた場合司法書士報酬一律定額66,000円(税込72,600円)or99,000円(税込108,900円)でお手続きいたします。