不動産登記ってそもそも何?

不動産取引

「不動産屋さんから登記が必要って聞いたけどそもそも登記って何?」

「登記ってしなければいけないの?しなくていいなら費用を節約したいからしたくない」

普通に生活をしていて登記という言葉を聞くことはほとんどないかと思いますので、こんなこと考えるのも無理ないですよね。

結論としては不動産を購入した場合には実務上ほぼ100%登記手続きを行います。

本稿では『登記』の概要について解説したいと思います。

登記とは?

クエスチョンマーク

司法書士の仕事内容は?と聞かれると、登記業務と回答することが多く、そして、世間的にも司法書士の仕事内容は、登記手続きとかの書類作成と認識している方が多いかと思います。

司法書士の業務は他にもたくさんありますが、登記業務が業務の中心である司法書士が多いでしょう。

そもそも登記とはなんでしょうか?

私法上の権利に関する一定の事項を社会や第三者に公示するため、登記簿に記載すること。またはその記載。権利の保護、取引の安全のための制度。

と一般的に定義されています。

登記には、不動産登記、商業登記、法人登記、成年後見登記等たくさんあります。

今回は、不動産登記に関してできるだけわかりやすく説明したいと思います。

不動産登記制度とは?

六法全書

不動産登記制度を理解するにはまず不動産について理解する必要があります。
不動産とは、土地及びその定着物を言います。(民法86条1項)

難しい言い方ですが、一般的な不動産取引では土地と建物のことだと思っていただいて構いません。

土地と建物についてはとても大切な財産ですが、名前を書いて真実の所有者ということを示したり、持ち運んだりすることができません。

不動産以外の物は全て動産です。(民法86条2項)
動産とは皆さんが持っているスマートフォンやパソコンなどの不動産以外のありとあらゆるものを指します。

マイホームを建てたり、土地を売買などで取得した場合にはどうしたらいいでしょうか?
不動産は名前を書いたり持ち運んだりができないので、建物に表札を掲げたり、土地に看板を掲げればよいのでしょうか?

表札や看板を掲げれば、その不動産の周辺の人たちには誰が所有している、住んでいるを示すことができますが、その不動産から遠く離れた人たちには、誰が所有している、住んでいるを示すことはできず、何の証明力もありません。

その大切な財産である不動産ついて、誰がもっているか?どんな状態か?を第三者に証明(公示)するために国が公の帳簿(登記簿といいます)に記録して誰にでも公開するための制度が不動産登記制度です。

この不動産登記制度を管理しているのが、国が運営している機関である法務局(登記所)です。

法務局(登記所)では、登記簿に記録することで土地や建物の不動産を公示し、登記手続きの事務全般を担っています。
そして、その制度と事務手続きを法律として定めているのが不動産登記法です。

土地を買ってマイホームを建てる場合には、
①土地を買ったことを第三者に証明(公示)するために、
土地の名義(名前)を、売主 → 買主に変更(書き換え)をする必要があります。

②マイホームを建てたことを第三者に証明(公示)するために、
建物(マイホーム)に名前を書く(不動産として登録する)ことが必要となります。

不動産に、この『名前を書き換えること』『名前を書くこと』といった行為を法務局(登記所)に対して報告することを一般的に登記申請をすると呼ばれています。

①と②を不動産登記法の言葉で表すと、①は所有権移転の登記を申請する ②は所有権保存の登記を申請する となります。

そして、この報告(登記申請)が法務局(登記所)で不備なく受理されると、登記簿に土地を買った人、マイホームを建てた人の名前(名義)が記録されることになり、第三者に対して証明することができます。

登記を具備することにより、対抗要件を備えます
対抗要件とは、自分が所有者であることを第三者に対して主張できるということです。

不動産登記の1番の役割は、この対抗力を備えることになります。

不動産登記の種類

パソコンを操作する女性

不動産登記の情報については、法務局で管理されていますが、当初はブックシステムといって、紙製の帳簿によって管理されていました。

現在は、コンピューター・システムによって管理されていて、管理されているデータ(登記記録)を専用の用紙に印刷して製本化したものを登記簿(全部事項証明書)として扱っています。

土地の登記と建物の登記

不動産である土地と建物は別々のものとして一つ一つ登記簿が作成されます。(民法370条)
登記簿は、表題部と権利部に分かれています。

表題部 = 表示に関する登記

不動産に関して初めてなされる登記です。不動産の現況(所在、地番、地目、地積、床面積など)が記録されています。
土地家屋調査士が専門家としてこの表示に関する業務を行っています。

権利部 = 権利に関する登記

不動産を誰が持っているか?どのような担保権がついているか?などの権利に関することが記録されています。
権利(所有権)や担保権の変遷が登記簿謄本をご覧になるとわかります。
この権利部はさらに、甲区乙区に分かれていています。
甲区は、所有権に関する登記が、乙区は所有権以外の権利に関する登記が記録されています。

この甲区及び乙区の権利部に関する登記について、司法書士が専門家として業務を行っています。

そして、今回説明した登記以外にもたくさんの種類の登記があります。

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